デュ~クメモ

しょ~もないことから、もしかしたら役に立つことまで、そこはかとなく書いていきます。

ダイビング事故 2012.03.17 大分県 保戸島 男性3人死亡

17日午前10時頃、大分県津久見市保戸島沖で海底のブロック引き揚げ作業をしていた潜水士、塩月充(45才)・弓削覚(37才)・横山泰造(31才)の3名が死亡。

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3人は12~14リットルの空気タンクを1本ずつ装着して午前9時半ごろから潜水、水深約57メートル地点で午前9時47分頃を最後に連絡が途絶えた。

午前9時50分ごろ塩月さんが、55分ごろ弓削さんが意識不明の状態で浮上したが死亡。
3人ともエアの残量はゼロになっていた。

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当事者:
大分県津久見市の土木工事会社「大下建設工業」【元請け】
大分県佐伯市の潜水工事業者「Oita Underwater Survey」【下請け】

http://www.saiki.tv/~ous/ (a693)

指導団体:JP 公認プロショップ

関連ニュース:

・潜水士死亡事故、3人ともボンベ残量ゼロ|日本経済新聞 2012.03.17、a694

・潜水士3人死亡 海底で作業中にボンベ空気ゼロ|スポニチ 2012.03.18、a695

津久見市で海洋牧場の音響給餌ブイ撤去作業中の潜水士3人が死亡、全員空気ボンベの残量ゼロ|産業安全と事故防止について考える、a696

・潜水士3人死亡で会社が見解|時事通信 2012.03.19、a697

潜水士3人死亡で会社が見解(2012年3月19日(月)掲載) - Yahoo!ニュース

大分県保戸島の職業潜水士3人は何故死亡したのか|WEBRONZA 2012.04.05

その後、2015.01.30に、潜水工事会社「Oita Underwater Survey」と同社社長の池部俊二(64才)を労働安全衛生法違反(雇い入れ教育の未実施)容疑で大分地検書類送検したそうだ。

・大分・潜水事故:潜水士死亡事故、社長を書類送検−−佐伯労基署 /大分|毎日新聞 2015.01.31、a37

http://mainichi.jp/area/oita/news/20150131ddlk44040547000c.html

翌月の02.09には、社長が業務上過失致死罪でも送検されたようだ。

・3潜水士死亡事故:現場監督の社長を大分地検書類送検毎日新聞 20150209、a42

http://mainichi.jp/select/news/20150210k0000m040096000c.html

・現場責任者を書類送検 潜水士死亡事故|大分合同新聞 20150210、a700

NHK 潜水事故の労安法違反は不起訴 20150313、a701

労安法違反については不起訴になったそうだ。証拠がないからか?
明らかにエアー量不足だと思うが…

目撃者がいないので、結局原因は分からずじまいのようだ。

 

デュークの勝手な分析 2015.02.09追加

死亡した塩月充は30年近くのベテランだが、当日は指示係だったにもかかわらず、ダイコンを身につけていなかった事から、深度・時間を見誤ったのかもしれない。
作業に集中していた残りの2人が気づかずエア切れ・窒素酔い等を起こしたかもしれないが、潜水開始後約17分経過して連絡が途絶えたらしいので、すばやく水底に到着したとすると、水深約60mに17分、SAC率:20L/分として、12Lタンク(空気、180bar)を背負っていた場合、
エア消費量:20×17×(6+1)=2380 L > エア保有量:2160 L(=12×180)
となり、連絡が途絶えた時点でエア切れである。
予想作業所要時間を何分と想定していたか知らないが、12~14Lの空気タンク1本で水深約60mへの作業潜水は、そもそも作業計画・潜水計画に無理があったのではないだろうか?
現場責任者(本件では「Oita Underwater Survey」社長)の責任は免れないだろう。

不起訴になったようだ。

 

「Oita Underwater Survey」の社長は社員(臨時募集?)を同時に3人も失い、気の毒ではあるが、作業/潜水計画が無謀だったと思わざるを得ない。

高深度潜水の危険性が思い知らされる事故である。
(2015.02.08)